パンの仕上げ
美味しいパンに共通しているのは、パンの表面がツヤツヤと輝いていることです。これはバターや卵黄などを、パンを焼く直前に塗っているからなのです。この作業を行わないとパンにツヤは出ないのです。
バターでも卵黄でも、パンの表面に塗るのはどちらでも良いのですが、ポイントとなるのは、オーブンに入れて焼き始める直前にすばやく塗ることです。しかし、ただ単にパンにツヤを与えるためだけに、バターや卵黄を塗っているわけではないのです。
卵黄やバターは、何気なく塗られているですが、実はオーブンの高温によってパン生地の表面が乾いてしまうことを防ぐという働きもしているのです。また、フランスパンのような堅めのパンに良く見られるのが、パンの切り込みです。この切り込みを作るには、ナイフを使うのではなくハサミを使っているのです。
そのポイントは、ハサミを縦に持って、すばやく切り込みのラインを入れることです。すばやく浅いラインが入ることで、ガスがパン生地の中に溜まってしまうのを防ぐことができますし、パン生地の内部まで確実に焼き上げることができるという効果もあるのです。
また、中はしっとりとしていて、外側がカリカリというパンに仕上げるテクニックには、焼始める直前に霧吹きをしてジュっという蒸気を出してからパンの表面に水分を与えているようです。